分かりやすい育児・介護休業法について(令和4年の改正点)

今回も法律について語っていきます。
令和4年の改正点は以下のとおりです。基本的に政府としては、育児休業の取得を促進して、少子化を防ぐ目的がありますから、改正もその方向でどんどん進んでいきます。
順を追って説明しますね。
〇 雇用環境整備
働いている人が、育児休業の申出をし易くするため、育児休業・産後パパ育休について、会社で下記のいずれかを実施する必要があります。
① 社内研修
② 相談体制の整備
③ 自社の事例の提供(収集含む)
④ 自社の育休への方針の周知
〇 個別周知・意向確認措置
本人やその配偶者が妊娠・出産したと申し出た場合は、次の周知をする必要があります。
・育休制度
・育休の申出先
・育児休業給付
・育休中の社会保険料の取り扱い
原則は面談や書面で周知を行い、併せて育休を取るかの確認も必要です。
女性の場合は、母体上、産前・産後休暇が必然なので、休みの流れで育休も取りやすいですが、男性は言い出しづらい風潮あります。自分から「育休取りたい」とは、なかなか言えませんが、会社から聞かれることにより、少しは意向を伝えやすくなることを狙っています。
個人的には、「男性と女性の育休期間は同じでなければならない」って規定を作るとシンプルと短絡的に思いますが、どうでしょうか?自由を侵害しますかね。
〇 非正規(有期雇用)の育児・介護休業取得要件の緩和
・法律から ”1年以上の継続雇用の期間が必要” を削除。
ただし、労使協定で除外は可。法律で規制せず、会社ごとに決めてもらう意味ですね。「法律上ダメなんだ」とは言えなくなります。
〇 産後パパ育休と育児休業の分割取得
令和4年10月からの改正です。
子どもが産まれてから、8週間の間に「4週間以内の範囲」で夫が取得できます。これをパパ育休と呼びます。他にも以下の特徴があります。
・2回に分けて取得でき、労使協定を締結すれば、一部働くことも可能
これまで、政府としては、育休中に働くことは原則不可の認識でした(一時・臨時的には許容)。働いても良いというと、育児休業の趣旨に反した休みが横行するのを懸念したかもしれません。育児休業の申出は、就労義務の消滅という法的効果もあるようですし。
しかし、長期で仕事を休むことを躊躇する人は育休取得を控える傾向が分かり、まずは、取得のハードルを下げる方向に舵を切った印象です。
働く上限は、パパ育休の間の会社の就労日の半分(時間も含む)まで。
毎日来て少し働くとか、本来働く予定だった総労働時間(パパ育休の期間内)の半分以上の時間をがっつり働くのは、NGということです。
まぁ、せめて半分は計画通りに休みましょうというところですかね。その他、育休の開始日と終わりの日は、いつもの働く時間よりも短くするという制約もあります。
※「パパ休暇」が上記と似た制度です(就労は原則不可)が、令和4年9月末で廃止。
〇 育児休業の分割取得
令和4年10月からは、1歳までの子の育児休業は、2回に分けて取得可能になります。
今回は以上になります。なお、自社の法律の順守について、最終的には、お近くの社労士や弁護士、もしくは、労働局の担当部局に確認するようにお願いします。
次回、もう少し詳細な説明をしたいと思います。
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