分かりやすい育児・介護休業法(基礎の基礎)
今回も法律について、語っていきます。
この法律が出来てから、30年以上になりますが、令和4年は比較的大きな改正がありますね。管理職の皆さんは、この法律をどこまで理解できていますか?特に小売りやサービス等、店舗がある場合の店長職が理解していないケースも多いので、本社の人事や総務も含めて注意が必要ですよ。
まず、個人的に見落としやすいと思うところは、以下の3つです。
〇 男性も育児休業を取れる
〇 正社員以外も育児休業を取れる
〇 申出は、拒否できない
以下、順を追って、説明します。
〇 男性も対象になる
男性の育児休業の取得率は、12%くらい(令和3年度)ですが、年々増加の傾向です。数日単位なら、少しづつですが取得する人も増えているような気がします。
育休の目的について、政府は、女性の社会進出や少子化対策としての観点ですが、他方、企業サイドから見ると、業務や職務の合理化、イノベーションに繋がる契機でもあります。男女別なく休むことが前提になれば、業務が属人的だったり、可視化されないと休みが取れないわけで、その点を自然と追及することが合理化に繋がるわけです。
また、男性が休むと、自ずと女性が活躍する機会や期間も増えるわけですから、後にいろいろ逆行してしまいましたが、例えば、龍〇散の新製品など、異なった視点から新しい事業が生まれる機会も増えます。
就業規則を改定していなかったり、規則に「他に保育するものがいない」等の制約を付けていると法令違反を問われるので、注意が必要です。
〇 正社員以外も育児休業可能
よく、「アルバイトやパートは育休取れませんよね?」と言う方がいますが、この点は正確ではありません。
法律上は、以下の条件(要件)を満たした場合は取得可能なのです。
〇 子が1歳半を経過する日まで雇用契約が終了しないこと
令和4年3月までは、”同一の事業主に引き続き雇用された期間が1年以上”という要件がありましたが、4月からは削除されています。ただし、労使協定で”同一の事業主に引き続き雇用された期間が1年以上”を満たさない労働者を除外することは可能です。なお、この労使協定に”週の所定労働日数が2日以下の労働者”を除外として含むこともできます(施行規則8条)
労使協定を結ばずに拒否すると違法になって、賠償責任を負う可能性もありますよ。
〇 申出は拒否できない
この育児休業の申し出は、原則として拒むことが出来ません。就業規則にダメと書いてあろうが、誰も取得できないとの労使協定を結んでいようが、上記のケースを除けば同様です。以前に労基法のところでも解説しましたが、法律違反の約束は無効です。
今回はここまで。
なお、自社の法律の順守について、最終的には、お近くの社労士や弁護士、もしくは、労働局の担当部局に確認するようにお願いします。
次回、改正部分についての説明をしたいと思います。
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